生活と事業を継続できる構造と機能を造りこむ

 今世紀には、地球環境が再び活動期に入り、豪雨、台風、地震に加え、感染症が猛威を振るっています。20世紀後半の静穏期に急成長した現代都市と経済社会システムは、その脆弱さを露呈し根本的な変革を迫られています。

 耐震基準は、倒壊を防止することは求めていますが、地震後に使用継続できなくなることは仕方ないとしています。機械・装置を用いる免振、制震、鉄骨・鉄板などを用いる耐震は、塑性材料で、地震力に対して抵抗しようとするため、原理的に損傷が避けられません。耐震工事を完了していたにも関わらず、使用できなくなり、結局、取り壊した事例も報告されています。SRFは、弾性材料によってひび割れに復元力を与えることで、損傷を制御する技術です。万一、設計の想定を大幅に超えた場合でも、フロアが潰れることを防ぐフェイルセーフ機能を有することが実験で確認されています。微動診断(MTD)は、常時微動計測により構造物の特性、欠陥を数値化する技術です。SRFで主要な柱を補強すると、構造物の固有震動が、ブレが少なく安定したものに変わる(収震効果がある)ことがMTDで実測されています。

 私たちは、地球環境が今後益々厳しさを増すことを前提に、SRF、MTD、収震をはじめとする21世紀の技術を用いて、生活と事業を継続できる建物とインフラ施設を造ることを目指して設計します。

SRF工法による設計事例